食品廃材×天然ゴムで生まれた“サステナブル素材”Rebburとは?

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ゴムに“食品廃材”を混ぜる? 新素材の正体とは

「ゴムに卵の殻を混ぜる」──もしそんな話を聞いたら、驚かれるかもしれません。ですが、私たちは本気で取り組んでいます。
Rebbur(リバー)は、江北ゴム製作所が立ち上げた、これまでにない発想の素材開発プロジェクトです。ゴムに、食品業界で捨てられていた未活用材──卵の殻、茶葉、海苔──を混ぜ、新しい質感と香りを持ったゴム素材を作り出しました。

素材に触れた瞬間、五感に訴える自然なぬくもりを感じていただけるはずです。これまで捨てられていたものに新しい価値を吹き込むこと。それが私たちの挑戦です。Rebburは、ただの実験ではありません。私たちが思い描く、人と環境にやさしいモノづくりのかたちなのです。

なぜ今、“ゴムの再発明”なのか

私たちはこれまで、「ゴムの困りごと解決集団」として、現場の声に耳を傾け、多くの課題を解決してきました。しかし、近年感じていたのは、ゴムという素材のイメージが固定化されていることでした。黒くて無機質な工業用素材として見られがちなゴムに、もっと多様な魅力があることを伝えたい――その想いから「Rebbur」は始まりました。

プロジェクト名は、Rubber(ゴム)を逆さに綴った造語です。そこには、「逆転の発想」「再生(Rebirth)」「再構築(Rebuild)」という、私たちの意志を込めました。
Rebburを通じて、ゴムの可能性をもっと自由に、そして人々の生活に寄り添うかたちで広げていきたいと考えています。

素材は廃材──選ばれたのは「卵の殻」「茶葉」「海苔」

Rebburで混合する原料を探すにあたって、私たちはまず、安全で自然由来の素材にこだわりました。その中で着目したのが、食品業界で廃棄されていた「未活用材」です。大量に捨てられているにもかかわらず、安全性が高く、独特の風合いを持つこれらの素材には、可能性が詰まっていました。

私たちが最初に選んだのは、卵の殻・茶葉・海苔です。それぞれに個性があり、見た目や香りに大きな違いが出ます。たとえば卵の殻は「エッグホワイト」として優しい白色を、茶葉は「ティーグリーン」として癒しの緑を、海苔は「ノリブラック」として深みのある黒を表現しました。

さらに、天然ゴムもフェアトレードの原料を採用しています。「素材の質感そのままに、安心して使える」。それが私たちRebburの基本姿勢です。

逆転の発想が生んだ“新しい価値”

Rebburは、私たちの中にあった「ゴムとはこういうもの」という固定観念を、見事に打ち破ってくれました。色や香り、質感に“感性”を取り入れることで、ゴムはより多様で表現力のある素材になったと実感しています。

従来のゴム製品は、機能性が重視される一方で、生活の中で“共感される素材”とは言い難いものでした。私たちは、Rebburを通して、人の心に響く素材づくりに挑戦しています。未活用材に新たな命を吹き込み、「なんだか気になる」「手に取りたくなる」と思ってもらえる、そんな存在を目指しています。

私たちはこのRebburを、単なる素材ではなく物語を持ったマテリアルとして育てていきたいと考えています。これからさまざまな分野での活用が進めば、生活に彩りとやさしさをもたらす存在になるはずです。

ゴムの未来を切り拓くRebburの可能性

Rebburは、「再利用」や「サステナブル」といった視点だけでなく、素材そのものの心地よさや楽しさも大切にしています。環境へのやさしさ、人へのやさしさ、そして感性への刺激。これらが合わさった素材こそが、これからの時代に求められる存在だと信じています。

卵の殻や茶葉、海苔という馴染みのある素材が、全く新しいかたちで蘇る。そこには、人々の共感を生むストーリーがあります。Rebburを手に取った方々が「これがゴムなの?」と驚き、そして面白がってもらえることが、私たちにとっての喜びです。

まだ小さな一歩かもしれませんが、私たちはこの素材に、大きな未来の可能性を感じています。Rebburを通じて、ゴムの未来に、もっとやさしさと遊び心を。それが私たちの願いです。

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